コラム
2025.08.26
平屋の坪単価を徹底分析|費用の仕組みと予算を抑える建て方

平屋は階段がなく、生活動線がシンプルで暮らしやすい反面、坪単価が高く見えるという声をよく耳にします。この記事では、平屋の坪単価の相場やその背景、2階建てとの比較、コストを抑える設計のコツまで詳しく解説します。
平屋の坪単価はなぜ高く見えるのか?費用構造と2階建て比較
同じ延床面積で比べた場合、平屋は2階建てよりも坪単価が高くなる傾向があります。これは単に「割高」なのではなく、構造や材料費のかかり方に理由があります。ここでは、その仕組みを理解し、納得感を持って予算を組むための情報を解説します。
平屋の建築費を左右する5つの要素
(1)基礎工事面積が広くなる
平屋は同じ延床面積の2階建てよりも基礎の面積が大きくなります。基礎は家全体を支えるため、鉄筋やコンクリートの使用量が増え、材料費・人件費ともに上昇します。
(2)屋根面積が増え資材・施工費が上がる
1階部分全体を覆うため屋根面積が広く、屋根材の量や施工時間が増加します。屋根は外装の中でも高価な部分であり、形状が複雑になるとさらに費用がかさみます。
(3)外壁面積が多くなる
平屋は外周部分が広くなるため外壁面積が増えます。外壁材の費用だけでなく、防水工事や塗装の手間も増えるため、建築費全体に影響します。
(4)土地面積の確保が必要
広い建物を1階で収めるため、都市部ではより大きな土地が必要になります。土地代そのものが高くなるだけでなく、整地や造成費も増える場合があります。
(5)設計の自由度が高く設備増加の可能性あり
平屋は間取りの自由度が高く、部屋数や収納、開口部などを多く取り入れられます。その結果、キッチンやトイレを複数設置するなど設備費が増え、予算が膨らむケースがあります。
グレード別・工法別の坪単価目安
平屋の坪単価は、住宅のグレードや採用する工法によって大きく変わります。以下はおおまかな目安と、それぞれの特徴です。
・ローコスト系:50〜60万円/坪
主に規格住宅やローコストメーカーが提供するプランです。間取りや仕様があらかじめ決まっており、選べるオプションが限られるため、費用を大きく抑えられます。外装・内装ともにシンプルで、設備は標準仕様が中心。コスト重視の方や、最小限の設備で十分な方に向いています。
・中級仕様:65〜80万円/坪
大手ハウスメーカーや地域工務店が提供する注文住宅の多くがこの価格帯に該当します。間取りの自由度が高く、外装材や内装材も一定のグレードから選択可能。断熱性能や耐震性能が強化されるケースが多く、コストと性能のバランスが取れています。
・高級仕様・注文住宅:85〜100万円以上/坪
設計事務所や高級路線のハウスメーカーが手掛ける住宅です。外観デザインや内装素材にこだわり、オーダーメイドの間取りが可能。無垢材や天然石、高断熱サッシなど、耐久性・意匠性ともに高い仕様を採用する傾向があります。デザイン性や素材感にこだわる方に向いています。
また、工法によっても坪単価は変動します。木造軸組工法は構造の自由度が高く比較的安価で、リフォームもしやすいのが特徴です。軽量鉄骨工法は耐久性と耐震性に優れ、部材精度が高い反面、坪単価はやや高め。RC(鉄筋コンクリート)造は耐火性・遮音性・耐震性が抜群ですが、建築コストは最も高くなります。
2階建てとの総額比較で見える違い
例えば延床30坪の場合、平屋は坪単価70万円で総額2,100万円、2階建ては坪単価65万円で総額1,950万円になるなど、差は100〜200万円前後。ただし、平屋は階段や2階部分の構造費が不要なため、メンテナンスコストで差を縮められる場合もあります。
土地取得費や固定資産税の影響
平屋は広い土地が必要なため、都市部では土地代が割高になります。また建物の床面積が広い分、固定資産税評価額も高くなることがあります。購入前に長期的な税負担も計算に入れておくことが重要です。
坪単価だけでは測れない平屋の価値

平屋は坪単価が高く見えますが、その魅力は数字だけでは測れません。階段移動が不要なため、高齢になっても安全に暮らせるバリアフリー性があり、小さな子どもやペットにも優しい住まいです。ワンフロアで家事動線が短く、洗濯や掃除、料理の効率が格段に上がります。また、同じフロアで生活することで家族が顔を合わせやすく、自然と会話や交流が増えるのも平屋ならでは。さらに、屋根や外壁のメンテナンスがしやすく、将来的なリフォームや間取り変更も容易です。こうした「暮らしやすさ」「維持管理の手軽さ」「将来の柔軟性」は、長く住むほど価値を実感でき、坪単価以上の満足度をもたらします。
設計段階でできるコスト最適化の工夫
平屋の建築費は、間取りや仕様を決める設計段階で大きく変わります。建築後の変更は高額になりやすいため、初期段階でコストダウンと快適性を両立できる設計を考えることが重要です。ここでは、平屋特有の工夫ポイントを5つ紹介します。
外形をシンプルにして施工効率を上げる
外観に凹凸が多いと外壁や屋根の面積が増え、材料費と施工時間がかさみます。四角や長方形の外形は資材のロスが少なく、施工が早く終わるため工事費の削減につながります。雨漏りリスクも減り、メンテナンス性も向上します。
動線を短くし廊下を減らす間取り
廊下は面積の割に居住性が低く、坪単価を押し上げる要因です。LDKを中心に各部屋を配置する回遊動線にすれば、移動距離が短くなり、同じ面積でも広く使えます。
窓や開口部の数と位置を最適化
窓は採光や通風に不可欠ですが、大きすぎたり数が多すぎるとコスト増になります。南側に大きな窓、北側や西側は必要最小限にとどめるなど、計画的な配置がポイントです。
必要な部屋数と面積を明確化
使わない部屋は建築費の無駄になります。家族構成や将来の暮らし方を想定し、可変的に使える多目的室を設けるなど、柔軟性のある間取りが有効です。
設備仕様のグレード調整
最新設備は魅力的ですが、全てを高グレードにすると予算オーバーに直結します。使用頻度の高い場所だけ性能を上げ、他は標準仕様で抑えるのが賢い選択です。
予算内で理想を叶えるための計画術
平屋は坪単価が高くなりがちですが、資金計画・土地選び・設計の工夫次第で、予算内で理想の住まいを実現できます。重要なのは、初期費用だけでなく、将来のランニングコストや維持管理まで見据えた総合的な計画です。ここでは、快適性と経済性を両立させるための5つのポイントを解説します。
採光と通風の取り方で快適性を確保
南側に大きな窓を配置し、風の通り道を意識した間取りにすることで、照明や冷暖房の使用を減らせます。自然エネルギーを活用すれば、光熱費削減にもつながります。
プライバシー性と防犯性を両立する設計
平屋は外からの視線を受けやすいため、窓の高さや位置を工夫し、植栽や塀で目隠しを設けます。同時に死角を減らし、玄関や勝手口周辺の照明や防犯カメラで安全性を高めます。
可変性のある間取りと収納計画
将来、子ども部屋を分割したり一体化したりできるよう、間仕切りを可動式にするなどの工夫が有効です。収納も余裕を持って設けることで、生活の快適さを長く保てます。
土地条件と周辺環境のリスク確認
地盤の強さや水害・土砂災害の可能性を事前に調査することで、将来の大規模修繕リスクを避けられます。周辺の開発計画や道路状況も確認し、生活環境の変化に備えましょう。
将来のメンテナンス費を見据えた素材選び
外壁や屋根は耐久性とメンテナンス周期を考慮して選定します。初期費用が高くても耐用年数が長い素材は、長期的にはコスト削減につながります。
まとめ|平屋の坪単価を正しく理解して賢く建てる

平屋は坪単価が高く見えるものの、その理由を理解し、設計や素材選びを工夫することで予算内で理想の住まいが実現できます。数字だけで判断せず、長期的な暮らしやすさも考慮して計画を立てましょう。
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※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。記事の正確性は保証できません。RANの仕様や価格は予告なしに変更となる場合があります。
■参照サイト
・Suumo「平屋住宅の坪単価目安」
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/hiraya_tsubotanka/
・IFULL HOME’S「平屋の坪単価相場」
https://www.homes.co.jp/cont/iezukuri/iezukuri_01176/
・クレアカーサ「2024年木造一戸建ての平均坪単価」
https://creacasa.jp/column/24773/