コラム

2025.08.26

  • おすすめ

平屋とは?メリット・デメリットと費用相場、失敗しない家づくりのポイント

平屋とは?メリット・デメリットと費用相場、失敗しない家づくりのポイント

平屋は、建物が1階だけで構成される住宅の形態。階段がなく、生活空間がワンフロアに集約されているのが最大の特徴です。
近年では、老後の暮らしや子育て世代、さらには趣味を大切にする単身者・夫婦二人暮らしまで、幅広い層から人気を集めています。

この記事では、初めて平屋を検討する方が知っておくべきことを余すことなく解説します。

 

平屋とは何か

まずは基本的な定義から。
平屋住宅(ひらやじゅうたく)とは、1階建てのみで構成された住宅を指します。階段を必要とせず、全ての生活空間が1フロアに収まっているのが特徴です。

二階建てや三階建てとの最も大きな違いは、高さと構造にあります。
平屋は高さが低く、構造的にシンプルであるため、地震や台風などの自然災害に強い傾向があります。また、階段スペースが不要な分、居住空間を有効に活用できます。

 

平屋と二階建ての構造的な違い 

 

■ ちょっとした豆知識
日本の住宅史を見ると、江戸時代以前はほとんどの住宅が平屋でした。農家や町家などは当然のように1階建て。二階建てが普及したのは、都市部で土地が不足し始めた明治以降です。今、再び平屋人気が高まっているのは、少子高齢化やライフスタイルの変化による「暮らしやすさ」の再評価が背景にあります。

 

平屋の魅力と特徴

平屋が人気を集める理由は数多くありますが、特に注目すべきポイントを4つ挙げます。

 

バリアフリーで老後も安心

階段がない、これだけで日常生活の安全性は大きく変わります。
特に老後は、ちょっとした段差や階段の上り下りが転倒の原因になることも。平屋はそのリスクを大幅に軽減できます。

■実例
70代のAさん夫婦は、二階建てから平屋に建て替えました。以前は二階に寝室があり、夜中のトイレで階段を下りるのが不安だったそうです。平屋にしてからはそのストレスがなくなり、生活が格段に安心になったと話しています。

さらに、将来介護が必要になった場合も、平屋なら車椅子や介護用ベッドの搬入が容易です。廊下幅を90cm以上にしたり、扉を引き戸にすることで、より介護に適した環境を作れます。

 

家事動線がコンパクト

家事を効率的にこなすためには「動線」が重要です。
平屋はフロア移動が不要なので、洗濯や掃除、買い物後の荷物運びなどが楽になります。

■動線例

・キッチン → パントリー → 勝手口(ゴミ出し・買い物後の収納がスムーズ)
・洗濯機 → 室内干しスペース → 外干しスペース(最短距離で完結)

これにより、家事にかかる時間や労力を削減できます。共働き世帯にとっても大きなメリットです。

 

地震や台風に強い構造

建物の高さが低いほど、地震時の揺れは少なくなります。
平屋は二階部分の重量がないため、重心が安定しており、耐震性が高まります。台風時にも風の影響を受けにくくなります。

国土交通省の研究によると、同じ構造・同じ耐震等級の建物でも、二階建てより平屋の方が地震時の変形量が少ないというデータがあります。

 

デザイン性の自由度が高い

階段や二階部分に制約されないため、平屋は自由な間取りやデザインが可能です。
例えば、中庭を囲むロの字型や、南側全面を大きな窓にした開放的なリビングなど、二階建てでは難しい設計も実現できます。

また、屋根形状も自由度が高く、片流れ屋根・寄棟屋根・陸屋根など、外観デザインの幅も広がります。

平屋のデメリットと解決策

もちろん、平屋にも弱点があります。しかし、ほとんどは設計や外構計画で解消可能です。

 

建築費が高くなりやすい 

平屋は基礎と屋根の面積が広くなるため、同じ延べ床面積でも二階建てより工事費が高くなる傾向があります。
例えば30坪の住宅の場合、二階建ては基礎面積15坪×2階分ですが、平屋は基礎面積30坪分が必要です。屋根材や外壁材の使用量も増えます。

コストダウン策

・建物の形状をシンプルにする(凹凸を減らす)
・標準仕様の設備を選ぶ
・水回りをまとめて配管距離を短くする
・平屋専門の工務店や規格住宅を活用する

プライバシーの確保が難しい 

平屋は窓が地面に近く、道路や隣家から中が見えやすくなります。
これを解決するためには、外構と窓配置の工夫が欠かせません。

解決策

・道路側には高窓(ハイサイドライト)やスリット窓を設置
・中庭型にして外から直接見えない採光を確保
・塀や植栽で視線をカット

広い土地が必要 → 狭小地でも建てる工夫

平屋は床面積=建築面積となるため、広い土地が求められます。都市部の狭小地では難しいと思われがちですが、設計次第で可能です。

工夫例

・縦長やL字型の間取りで敷地形状に合わせる
・ロフトや小屋裏収納で床面積を有効活用
・庭を削って建物面積を確保する代わりに屋上庭園を設ける

平屋の人気間取りとデザイン事例

平屋は間取りの自由度が非常に高い住宅形態です。階段や二階部分がないことで、空間構成や採光計画に大きな余裕が生まれます。ここでは、実際に人気の高い間取りタイプと、そのメリット・注意点を紹介します。

 

LDK一体型の開放感ある間取り

平屋の魅力を最大限に活かすなら、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)を一体化した大空間が王道です。
二階建ての場合、構造上どうしても柱や梁の位置に制約が出ますが、平屋はスパンを広く取りやすいため、天井の高い開放的な空間が作りやすいのです。

■メリット

・家族の顔が自然に見える設計
・視線が抜けて広く感じる
・採光・通風計画が立てやすい

■注意点

冬場は暖房効率が下がることもあるため、床暖房や断熱性能を高める工夫が必要

■施工例:愛知県K様邸
延べ床面積32坪の平屋。LDKを25帖のワンルームにし、南側全面に引き込み式の大開口窓を設置。夏はウッドデッキと庭が一体化し、冬は薪ストーブで家全体を暖められる設計に。

 

中庭やウッドデッキのある暮らし

平屋のデメリットである「外からの視線」を解消しつつ、採光と通風を確保する方法として中庭(パティオ)は非常に有効です。
建物に囲まれた中庭なら、外部からの視線を遮りながら、家のどこからでも自然を感じられる空間になります。

■メリット

・プライバシーを保ちつつ開放感を確保
・四方から光と風を取り入れられる
・子どもやペットの安全な遊び場になる

■注意点

・雨水排水の計画をしっかり立てないと湿気がこもりやすい
・落ち葉やゴミの掃除が必要

ロの字・コの字型の平屋

平屋ならではの外観デザインとして、ロの字型(中庭を完全に囲む形)やコの字型(中庭を三方で囲む形)があります。
これらはプライバシー性が高く、リゾート感のある住まいを実現しやすい反面、外壁の面積が増えるためコストが高くなる傾向があります。

■メリット

・中庭をリビングや廊下から眺められる
・外部からの視線をほぼ完全に遮断
・採光と通風をバランスよく確保

 

ガレージ一体型の平屋

車社会の地域では、ビルトインガレージやガレージ一体型の平屋も人気です。
雨の日でも濡れずに玄関へアクセスでき、荷物の搬入も楽になります。

■メリット

・天候に左右されず車の乗り降りが可能
・ガレージを趣味空間として活用できる

■注意点

・ガレージ部分の防音・換気計画が必要
・建物全体の断熱性能に影響が出ないよう注意

平屋にかかる費用相場と予算シミュレーション

平屋は同じ延べ床面積でも二階建てより建築費が高くなる傾向があります。これは、基礎と屋根の面積が増えるためです。
ただし、構造がシンプルであるため施工の難易度は低く、工期が短く済む場合もあります。

坪単価と建築費の目安

 

補足:外構費(200〜300万円)、家具・家電、諸費用(登記・ローン関連費用など)を含めると、総額は+300〜500万円程度が目安になります。

 

二階建てとの費用比較

同じ30坪の場合:

・二階建て:坪単価55〜80万円 → 1,650〜2,400万円
・平屋:坪単価60〜90万円 → 1,800〜2,700万円

差額は約150〜300万円程度になることが多いですが、将来的なメンテナンス費用やバリアフリー改修費を考慮すると、長期的には平屋の方が総コストを抑えられる可能性もあります。

 

平屋の建築で失敗しないための注意点

平屋を計画する上で注意すべきポイントを、設計・土地・生活動線の3つに分けて解説します。

 

採光・通風計画

平屋は中央部の部屋に光が届きにくい傾向があります。これを解消するには以下の方法があります。

・中庭や吹き抜けを設ける
・天窓(トップライト)を設置
・ハイサイドライトで高い位置から採光

収納不足対策

階段下や二階収納がないため、収納計画は必須です。

・ロフトや小屋裏収納を設ける
・家具の配置も考慮した間取り設計
・屋外物置の併用

将来の間取り変更への対応

子どもが独立した後や介護が必要になったときに対応できるよう、

・可動間仕切りを採用
・将来的に部屋を増減できるゾーニング
・を計画段階から考慮しましょう。

平屋が向いている人・向いていない人

■向いている人

・老後を見据えたバリアフリーな住まいを希望
・家事効率を重視
・庭や外空間を活用したい
・建築コストより快適性を優先できる

■向いていない人

・都市部の狭小地にしか土地を確保できない
・周囲からの視線を極端に避けたい(外構工事が必須になる)
・延べ床面積を抑えつつ多くの部屋を確保したい

まとめ

平屋は、シンプルで暮らしやすく、将来も安心できる住宅スタイルです。
多少のデメリットはありますが、設計や外構の工夫でほとんど解消できます。
ライフスタイルや家族構成に合わせて間取りを柔軟に計画すれば、一生モノの理想の住まいになるでしょう。

平屋専門ブランド RANでは、水平ラインの美しさを活かしたデザインに、シンプルモダン、ビルトインガレージ付きなど多彩なスタイルを揃えています。
全棟で長期優良住宅に対応し、省エネ性や耐震性も確保。さらに50以上のプランから選べるため、ご家族のライフスタイルに合わせた最適な平屋を実現できます。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。記事の正確性は保証できません。RANの仕様や価格は予告なしに変更となる場合があります。

コラム一覧へ
流山市東初石モデルハウスで先行実施中内見方法について詳しく見る